福岡県プロフェッショナル人材センター

〒812-0046
福岡市博多区吉塚本町9-15
福岡県中小企業振興センター9F
TEL:092-622-8822
FAX:092-622-8188

株式会社里山商会

代表取締役 吹上紘子氏

原点は地域のためになること。斬新な取り組みで地域が元気に。

 地域特産品を取り扱うお店は数多くあれど、新機軸のライフスタイルストアとして注目を集めているのが『里山商会』。2015年3月に福岡県行橋市で創業したばかりの若い会社です。

 「里山の恵みを全国へ。世界へ。」をスローガンに、商品開発からコンサルティングまで幅広い事業を展開。自社ブランドの「里山ごはん」をメインに、京築地方を始めとする九州地方の恵みが詰まった商品を自社店舗『里山商会 KOKURA』をはじめ、全国の小売店での卸小売も行っています。

 その立役者は、キュートな笑顔が印象的な社長の吹上紘子さん。2人のお子さんの母という顔を持ちながら、全国を駆け回っているスーパーウーマン。そんな吹上さんのこれまでの歩みと今後の展望について伺いました。

−お店は、木の温もりを感じる素敵な雰囲気ですね。こちらではどういった商品を販売されているのでしょうか?

 「里山のごはん」をテーマに、行橋市、豊前市、苅田町、みやこ町、築上町、上毛町、吉富町の2市5町からなる京築地域の商品と、九州全域の商品を販売しています。ライフスタイルストアということで、食品だけでなく調理器具や器など暮らしに関わる商品も取り扱っているんですよ。当店の商品は、自由に選んで箱に詰めてオリジナルのギフトボックスを作成できることが特徴です。結婚式の引出物や出産の内祝などで利用いただくことも多いですね。お買い物だけでなく、カフェスペースでは当店で取り扱っている福岡県産無添加の甘酒や九州産のオーガニック茶をお飲み頂くこともできます。

吹上さんご自身は京築地域のご出身ではないと伺いました。どうして行橋市で会社を立ち上げることに?

 出身は熊本県の菊池市です。社会人になり、福岡市でアパレル系やジュエリー系の会社に勤めていました。そこで夫と出会って結婚し、2004年に長女を出産しました。しかし夫の実家は福岡県みやこ町にあり、私の実家は菊池市。近くに親族がいないので、育児がとても大変だったんですよ。そんな時にみやこ町の義父母が「こっちに来ない?」と声をかけてくれて。私もまだ20代で若かったので、「行く~!」と軽いノリで移住を決めて(笑)。それが2006年、私と京築地域との出会いでした。

 そうして福岡市からみやこ町に移ると、自然や食べ物など全てがキラキラして見えたんです。"何でこんなに素敵なものがあるのに、もっと外に発信しないんだろう"と思っていました。

 そこで、何かアクションを起こしたいなという思いで2007年に『スロー・ラボ』という名義で地域特産品の商品開発や地域活性化に関する活動を開始しました。それから2012年にNPO法人を設立し、2014年には福岡県の事業「京築地域特産品ブランド化事業」を受託。この事業では、1年間の事業期間に40事業者に参画していただき、地域の自治体や商工会などの支援を得て、109アイテムの商品を選定する地域ブランド「京築セレクト」を立ち上げました。この時に「里山ごはん ごはんにひと手間シリーズ」などの新商品の企画開発も行って、全国に京築の商品について発信することができたのです。

 

 そうして1年の契約期間が終わると、事業も当然終わります。おそらく普通なら誰もがそこで事業を終わるのでしょうが、私は"終わりにしたら地域のためにならないじゃないか!"と知恵や資金もないのに、ただ地域への強い想いだけで続けようと。そうして、株式会社を立ち上げて、地域特産品の開発や発信を続けることにしたのです。

そこから本格的に動き出したのですね。最近は特にどんなことに力を入れているのですか?

 何でも力を入れているのですが…(笑)。ただ、創業当初から変わらず力を入れていることは、ターゲットを明確に絞った商品開発と卸小売。

 当社が取引をしているのは、アパレルメーカーやウェディングの企業がほとんどです。スーパーや量販店には卸していません。その理由は価格競争で勝ちが見込めないということもあるし、何より生産量や生産体制が追いつかないからです。

 そこで、ライフスタイルアイテムとして取り扱っていただけるお店に絞って商品を卸す販売戦略に。そうするとターゲットは明確なので、そこに対してブランディングをした商品化ができます。「作ったから売る」のではなく、「この人たちに買ってもらえるような商品を作る」という逆から落とし込む方法ですね。

 

 最近は、企業とのコラボ商品開発にも取り組んでいます。これまでにアパレルブランド『アダム・エ・ロペ』や、『メゾンドリーファー』とのコラボ商品を手掛けました。お米やジャムなど、ブランドが指定する京築セレクトの商品を組み合わせて、容器にブランドのラベルを貼って店舗で販売するという仕組み。

 現在、若者のファッション離れや景気の低迷によりアパレル業界は洋服の販売だけでは苦戦を強いられています。そこで、雑貨や食品なども販売する「ライフスタイル提案型」に転換する傾向に。そういう時代の流れと当社の販売戦略が上手くマッチングしたということもあり、東京のアパレルメーカーや百貨店からの取引をいただいています。今後もコラボ商品の開発や取引先の商品企画と開発、販売、路線開拓までを担える企業を目指したいと思っています。

そういったアイディアはやはりアパレル・ジュエリー業界の経験が生きているのでしょうか?

 それもあると思いますが、現場での経験が全てですね。流通や小売について専門的に学んだ訳ではないから。3、4年前までは何も知らないド素人の主婦だったと言っても過言ではないほど。私は本当に"現場叩き上げ"の人間なんです。

そんな努力家の吹上さん率いる『里山商会』では、どんな人材を求めているのでしょう?

 当社の仕事は「営業」「販売」「事務」など、1つの職種に絞ることができないんですよね。本当の意味での「総合職」。何でもやらないといけないし、何でもやりたいという向上心のある方に働いていただきたいですね。だから経験やスキルがなくても、私のように現場叩き上げで身に付けていってほしいですし、何かスキルがあればそれを存分に生かしてほしい。まずは店舗の運営を任せて、いずれは専務や社長の右腕になるような存在を育てたいと思っています。

最後に、これからのビジョンを教えてください。

 最初から描いている構想は、店舗を博多、小倉、大阪、東京、函館…というように、全国展開をしていくこと。そして最終的には海外進出ができたら一番いいなと思っています。

着々と成功への道を進んでいるのですね!

 何を持って成功とするかにもよりますが、私は原点にある「地域のためになること」が成功だと思っています。会社の前身であるNPO法人の時に、福岡県の事業として「京築セレクト」を立ち上げさせていただいたという"恩"があるので、これまでに自分が習得したノウハウや知識を地域に還元したい。そうして京築地域を始めとする福岡県内のの事業者の業績や品質が少しずつでも向上して、結果的に地域が活性化することが真の成功につながるのではと思って取り組んでいます。

 

 

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